こんにちは、鹿児島のスイーツショップ
新富大生堂、3代目
トミーこと新富哲郎です。
本日は、改めて鹿児島銘菓「かるかん」について書いてみたいと思います。
軽羹(かるかん)とは
かるかんとは、山芋(自然薯)に米の粉、お砂糖、お水といったシンプルな素材を混ぜ合わせ、蒸しあげた鹿児島の郷土銘菓です。(一部、卵白を配合されるお店もあります)
軽羹(かるかん)の種類
かるかんには大きく分けると「あんこ」の入らない「かるかん」とあんこの入った「かるかん饅頭」の2つに分かれます。
あんこの入らないものは「枠もの」「棹物」など木枠に濡らした布巾を貼り付け、かるかんの生地を流し、1時間ほど蒸したのち、冷めてから切り分け提供します。
(現在、新富大生堂では、大きなかるかんを切り分けると、食べきれないといった声もあり、あんこを抜いたかるかん饅頭の形態にし、個包装にて販売しています)
一方、あんこの入る「かるかん饅頭」は茶碗のかるかんの生地を注ぎ、その上に丸めたあんこを乗せ、さらに上からかるかんの生地を被せて蒸気にかけます。コチラのかるかん饅頭は量も少ないことから30〜40分ほどで蒸し上がります。その後カルカンが冷めないうちに、茶碗から外すようにします。これはカルカンが冷めてしまうと茶碗から外れにくなってしまうためです。
かるかん饅頭を作る上で、当初は陶器の茶碗で製造されていたようで、外す際に力がいるため腱鞘炎になったり、欠けてしまうことによる安全性の面から、樹脂素材のものが開発され、現在に至っています。
その他の軽羹(かるかん)
かるかんには大きく2種類としましたが、お店によっていろいろなバリエーションも増えています。
蓬を生地に練り込んだ「よもぎかるかん」
(新富大生堂では、ご注文が入った時のみ製造しています
紫蘇を練り込んだ「紫蘇かるかん」
通常、こし餡が多いのですが、みかんあんなどで仕上げているお店もあります。
軽羹(かるかん)の作り方
レシピは社外秘ですので申し訳ないですが、手順的には
1.すりおろした山芋(自然薯)をミキシングすることにより、強すぎるコシを切るのと空気を含ませます。
2.空気を含ませた山芋(自然薯)にお砂糖(新富大生堂では、白ザラ糖を使用)と配合の半分の水を加えたものを、滑らかな口当たりにするため一旦粗めの漉し器で山芋(自然薯)のすりおろせなかった塊の部分を取り除きます。
3.2の取り除いた生地にさらに、残りの水とかるかん粉(米の粉)を混ぜ合わせ生地は完成
かるかんの生地を合わせるのはミキシングも含め30分ほどですが、茶味も(自然薯)を剥く、すりおろすといった作業はやはり時間がかかります。
その後、枠もの「かるかん」にする場合は木枠に流し、かるかん饅頭にする場合は茶碗に注ぎ、あんこを入れるといった工程になります。
軽羹(かるかん)を取り巻く課題
かるかんを製造する上で欠かせない山芋(自然薯)、この掘り手の方々が、高齢化をはじめとする、人材不足が課題となっています。山芋(自然薯)を見つけるにも掘り手の方の見つける技術が入り、また掘り起こすにも忍耐が必要な作業のため、年々関わる方が減っている現状です。
更に、素人の方が山に入り掘り起こした後、土を埋める作業をしていないために、次の年にはそこに山芋(自然薯)が育たないといったこともあります。
ちなみに、猪は山芋(自然薯)を掘り起こした後、ちゃんと土を被せるそうです。
現状、新富大生堂では、信頼のおける掘り手の方がお隣の町「さつま町」から山芋(自然薯)を収めてきださるのとてもありがたいです。
鹿児島土産としての軽羹(かるかん)
かるかんは、鹿児島県内の和菓子を取り扱っている店舗、駅、空港、観光地のお土産屋さん、ネットやふるさと納税でも買うことができ、鹿児島のお土産として人気があります。ただその事で「かるかん まずい」と言った声にもつながっているようです。
次回はその「かるかん まずい」につながる要因についても書いてみたいと思います。
本日は、そんな感じです。
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10月店休日
29日(日)
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やっぱり、かるかん食べたい方は